メイキングオブ「ANOTHER ME」

 

#1イノセントバグズ スタート

2019年1月某日。ケイエムシネマ企画若手俳優参加の半年期間限定の映像演技の実践的ワークショップとして始まる。
ワークショップ名を付ける事に・・・「イノセントバグズ(無垢な虫たち)」とする。
イノセントバグズは大月が十数年前に始めて行ったワークショップで制作した短編映像のタイトルから引用した。
洗練されたテントウムシのロゴはメンバーの沢本美絵のデザイン。
メンバーは大月を入れて7名だったのでナナホシテントウムシをイメージした。

 
 

「ANOTHER ME」自体はもともとジキルとハイドをイメージして自分との対話を描いた1ページの台本であった。
ワークショップは月に2回都内にある集会所の一室を借りて行う。
メンバーの何名かは他の仕事でも面識があったが男性俳優はほぼ初対面で大月も役者もお互い探りながら始まった。
当初頭の中には「半年で何らかの映像を6本作る」という算段があった。
ワークショップは月に二回なので一回目をリハーサルにあて二回目を本番に充てる計算それを毎月繰り返す。
第一回は事前(2018年末)に台本を渡しておき当日はカメラ照明マイクを入れてすぐに本番形式でワークショップを進めた。
このジキルとハイド~もう一人の自分~を撮ることで役への取り組み方や、俳優の振れ幅を見たかったと同時に自分たちにも気づいて欲しかった。
打ち合わせはLINEなどで個別に演技プラン、衣装などを詰める。
ここでは現場に入る前に監督とのディスカッションを学んでほしかったと同時にまずは大月を信頼して欲しい思いがあった。
第一回目にそれぞれが作ってきたキャラクターはアイディア豊富で皆やりたいことは膨れ上がっていた。
映像では、詰め込み過ぎても見ている人に伝わらなければ無駄に終わる事も覚えて欲しかったので削る作業を強いられたメンバーも数名。

 
 

撮影はワンカメで正面のミドルサイズ、タイトバストショット、斜め横からのバストショットの3テイクをそれぞれワンカットで撮影。
事前にカメラアングル・トータルの尺(1分半以内)・サイズを通達してその中で芝居をするように枷をつける。二役を演じるので合計6カット撮影。
同時に編集のイメージも考えアクションやセリフのトーンも計算し合わせる必要もある。
マイクは固定、照明は基本的な三点照明とし、光源を表キャラと裏キャラで左右反転させる。
結果的にすべてのメンバーがネガティブな表現になってしまったので色味は冷たいブルー系に統一した。
テスト撮影を一回やりすぐに修正して本番。
いきなりの実践形式で緊張感を露骨に出す者や、仲間と距離を取って役に入り込む者、スタッフとしてこまめに動く者などから俳優たちの資質・性格などを分析する。

 
 

初週は表となるノーマルキャラだけを撮影、仁科だけは、スケジュールの都合でいきなり第一回目で二つのキャラの本番を撮影している。
彼女は瞬発力と思いっきりの良さに長けているのでこういった場面には強い。
しかも彼女の選んだテーマは男と女の二役という難易度高めの役であった、仕上がりはぜひ映像を見て確かめてほしい。

 
 
 

長田は当初アイディアいっぱいのプランを提示したがそのほとんどを却下されてシンプルなものになった。
現場では常に対応力も試される。長田のキャラクターは後のタダヨイビトの「智実」の原型となっている。

 
 
 

沢本はメンバーの中で最年長でもあり時にはキュートで時にはユニークな演技を得意としている。
この時もお菓子(ハッピーターン)の粉を口の周りに一杯付けたキャラづくり。
普段のスタイリッシュな容貌とは一味違うキャラを感性豊かに演じている。

 
 

葉月は容姿端麗でありどことなく影を纏った俳優、選んだキャラはマイナスに振り切ったサイコパスであった。
作り物や裏方も手際よくこなししていたのが印象的であった。芝居は触れると壊れそうな繊細な芝居である。

 
 

上島と馬上はいわば対照的なトーンを持つ俳優である。上島は高身長でありとても人当たりの優しい青年である。
選んだキャラクターも自分自身と近い人物。後のタダヨイビトのKのヒントにもなったキャラである。

 
 

馬上の横顔は男前である。サイドポジションに入って逆を当てた時にそう感じた。
この横顔をいつかまた撮りたいとこの時から思い、その思いは後のタダヨイビトで叶うことになるとはこの時はまだ思っていなかった。

 
 

  撮影が終わりカメラ前でのワンショットで映る自分達の姿を真剣な目で見ているメンバーが印象的であった。

続きは、次回更新の#2をお楽しみに!

「6FACE」「タダヨイビト」の完成までを連載予定です!

 

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